Radiation Protection Workshop in Fukushima 2018
国際高校生放射線防護ワークショップ
~放射線の現状や福島の「食」について体験~

 8月5日から9日までの5日間開催された「国際高校生放射線防護ワークショップ」の運営協力をしました。
 文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である福島県立福島高等学校が主催した事業で、県内からは福島高校のほか、福島西高・安達高・ふたば未来学園高、県外から東京都立戸山高・広島大学附属高、海外からはフランス・フィリピン・台湾の高校生ら計52名が参加。参加者全員で福島県内を訪問し、各地の放射線量を測定しながら放射線の現状や福島の「食」について体験し、学んだことを東京の恵比寿ガーデンプレイスにて一般来場者へ向け発表しました。
 この事業は、サッポロホールディングス株式会社 様、一般社団法人フォーギブネス・フロム・ヒロシマ 様 より寄付金を拝受し、実施されました。
もぎたての桃をほおばる生徒たち ポスター発表をする生徒たち

 

参加生徒の感想

 ワークショップの前、福島は原発のある浜辺の町に過ぎないと思っていた。3月11日の事故の後は、福島は何から何まで放射線を浴び、住むことができないと思っていた。今は、この旅のおかげで、放射線とは何か、また福島第一原発は福島県に位置しているが、福島市からはかなり離れているということが分かった。地域を除染する方法や、様々な作業について学んだ。また、1、2、3号機原子炉は、今は安定しており、しかし解決はされていないということ、そして、廃炉に必要な時間は30年から40年と見積もられていることも分かった。
 最後に、福島が現在直面している最も大きな問題は、事故前の経済的、社会的状況に戻ることを阻んでいるとても悪いイメージであるように思う。

Lycee Notre-Dame  18歳生徒

 

 公のソーシャルメディア等に強く影響され、私も含め、人々はまだ福島のことを、他の大都市と比べ、数年前の原発事故により不毛になった県だとみなしていた。この旅の後、福島の現状について多くのことを学んだ。一般的な考えとは対照的に、福島は今、非常に緻密に計画された復興が進行しており、漁業や農業などの第一次産業が、福島の経済に大きな重要性を持っている。
 福島を自分の目で見ることにより、私は福島の現状についてよく理解することができた。

台湾国立実験高級中学 17歳生徒

 

 ワークショップに来る前、誤解を招くいくつかのメディアの影響もあり、実際私は福島の食べ物の多くが汚染されているだろうと思っており、友人の多くも放射線を怖がっていた。しかし、講義で学んだり、実際に経験することで、今では放射線量は生活するには十分安全であり、加えて、制限レベルを超えている食べ物はひとつもない。

台湾国立実験高級中学 17歳生徒